やぁみんな！ 今日はある女の子の話だよ。
女の子の名前は桑田由奈。とびきりの美少女さ！
まるでガイジンオタクモエモエの美少女ぶりさ！！
だから当然彼女は人気者。学校の学年プリンセスでも一位なのさ。当然さ！
筒井先生に言わせると、こういう美少女は自尊心が強いから肛門の括約筋が緩くなる傾向にあって、そのウンコはコンモリ太いはずだ、という説があるけど、現実には便秘もするさ、だってお年頃だもんね。
それはおいといて、彼女に恋をした馬鹿がまた現れたよ！！
その名もジュン。桜田ジュン！ 地はけっこう美少年でＢＭＩも正常、メタボリックなんて何それ？の体型だけど、その暗さとセンスのないメガネで外見はオタクそのものさ！！
（この文体、疲れるな）
あ、何か言ってしまった気にしない。
オタクってのは、いろいろと憧れの少女に対しては注文が五月蠅くて、やれ髪はこうだとか、胸の大きさは最低このくらいだとか、性格はとびきり上等、当然処女で、ニーソが似合って、絶対領域が……とウンザリするくらいの願望を持ってたりするんだけど、ところが現物の三次元の少女にはまったく免疫がないんだな。
というわけで、ジュンもコロっと日常のいろいろなことで由奈にぞっこんになってしまったってわけさ！
そんなある日、プリンセスの衣装をみんなで考えることになったよ。
当然ジュンは服飾オタクだったから、夜も寝ないで考えたよ。
結果、できあがったそのデザインといったら！！
若さ故のエロへの願望と、天賦の抜群の衣装センスと、デザイン感覚がごっちゃになって、それはもうカッコイイんだけどエロエロ満点なものになってしまったんだ！
「さすがにこれはマズいかも」
ジュンは聡明な子だったから、理性のブレーキがかろうじて利いてそのスケッチはボツにしたんだけど、ついうっかり宿題の提出帳に挟んだままにしてしまったんだな。
すると悪いことって転がり始めるものさ！
たまたまその宿題の担当がジュンの宿敵、梅岡先生！
「おっ、これはふーん、素晴らしい！よし」
ちょっと感覚が世間一般とズレちゃってるくせに、その自覚がない天然教師だよ！
だから突然、そのスケッチを全校用の掲示板に貼ったのさ！！
それも人がいない早朝の４時、わざわざ早く起きてこっそりと。
やっぱり天然は違うねぇ。
行動パターンが普通の人とまるで違うね。
もちろん、梅岡ちゃんに悪気はなかったんだよ！！
「これで良し。さぁ、いっぺんうちに帰って寝よう」
帰っちゃったんだ！
絵を放置して！！
その後にやってきて、一番始めにその絵を見たのがなんと体育教師のＨ！
ＨだよＨ！！
イニシャルがＨなんだけど、本当はロリコンで本当にＨだったんだ！！
「おっ」
そのスケッチを朝練の準備にやってきたついでに見ちゃった！
興奮したね。で、コトもあろうかその場でヌいちゃったんだね！！
童貞だから仕方なかったんだ！
「はぁはぁ……ふぅ」
実は今まで妄想の中で何度も犯し続けた（おいおい）憧れの由奈のスケッチだけに、たっぷり満足しちゃって、ついついスケッチに落書きしたんだ！！
「ヤりたい」
そのまま朝練に行っちゃって、その事は忘れてしまった！
いい加減だね。
続いて用務員さんもやってきた！
「ほほう」
彼はジュンのスケッチを見るなり、一度どこかへ行った。
かと思ったら、とびきりのおみやげを持ってきた！
秘蔵のエロ写真！！
しっかりジュンのスケッチの隣に、かんたんに剥がせない強力な糊でくっつけたんだ。ワシも負けてはおらん、とばかりにね！！
そして登校時間がやってきた！！
もう掲示板の前はちょっとしたパニック！！！
「うわ……」
「すげぇ」
「やだぁ」
「キモイ」
みんな驚いちゃったよ！
もちろんモデルは由奈！
桑田由奈！！
すぐわかっちゃった。
なまじ絵が上手なだけに、わかっちゃったんだね！
そこを通りがかったジュン君。
その心境、もう表現不可能だよ！！
ただ、そのまま屋上に上って、そのまま空中にダイブして鳥さんになろうかと真剣に考えたコトだけは間違いない。
幼なじみの巴もやってきた。
「あらま」
巴も驚いたよ！
でも、巴は冷静だったんだ。
だけど、どうすることも出来なかったんだ……。
そして全校集会の時間がやってきた！
ジュンは、ばっくれようかと思ったが、不思議なことに人って、こういうときに限って、自らサイアクの状況に飛び込んでいってしまうものなんだな！
集会が進み、何事もなかったかのように進んでいくよ。
特にあのスケッチの話題は出ない……ジュンは、ホッとしたよ。ところが！！
突然壇上に天然バカ梅岡が登場！！
「皆さんに素晴らしい発表があります。掲示板の絵を見てくれましたか？ 素晴らしい才能です！！ その作者は、桜田ジュン君です！！」
一気にまくし立てたよ！！
場内の空気が一瞬にして凍り付くのが、空気の読めないジュンにもさすがにわかったよ！
恐怖！！
とにかく恐怖！！
次いでざわめきと蔑みの視線が一斉にジュンを飲みこんだぁ！！
あまりの衝撃に薄れ行く意識の中、目に見えてしまったのは由奈がまるでとんでもなく汚いものを見る目つきでこちらを睨んでいた！！ ことだった。
そして失神しちゃったんだよ！！
そして翌日。
学校に行くのを嫌がるジュンは、
お姉さん！ ブラコン気味のお姉さん！ に、
何とか説得されて学校にやってきたよ。
教室までの間、何かヒソヒソとまわりで噂されているような感覚。
こりゃたまらないね！
でもなんとか教室にたどり着いたよ。
だけどタイミングというものは意地悪なものさ。
たまたまそこで由奈と鉢合わせしてしまった！
ヤバイジュン。
どうしよう！
「あのね、桜田くん、話があるの」
無視されるかと思ったら話しかけてきた！
ジュンびっくり！！
「な、何？」
「あのね。桜田くんがわたしのこと、そんなに考えてくれたなんて思ってもいなかったんだ。あのデザイン、ちょっとエッチだけど素敵ね。どう？由奈のボーイフレンドになってくれない？」
おっとぉ！
突然の由奈の告白！！
初めはジュンは冗談かと思ったよ！
でも、女性に免疫がないんだ。
「う、うん」
思わずＯＫ！
それからジュンのところに我が世の春そのもの、ってやつが舞い降りたのさ。
朝は一緒に学校に通い、夕方も一緒に帰宅につく。
空いた時間に二人でいろいろとおしゃべり。
だけど、お昼は別に弁当を作ってくれることはなかったし、何よりもジュンがデートというものに誘っても、なんだかんだと理由を付けてＯＫしない。
一見するとじらす女！ ってなかんじなんだけど、どこか違う。
「なんか、変だなぁ…女の子って、付き合うとどうなるのか、ぼく、わからないし」
さっそく姉に相談だ！ 普通はそんなことしないけどね。
「そうねぇ。その娘、照れてるのかもね。それか、とってもオクテだとか」
姉ののりも恋愛体験は全くないから、アドバイスできないんだ！
ただ、幼なじみの巴だけは心配そうだったよ。
「桜田くん、わたしはあまり人のことにどうこう言いたくないけど、桑田さんには気をつけた方がいいわ。彼女についてはあまりいい話を聞かないし」
「それって、どんな話？」
「ちょっと、わたしからは言いづらいわ。だけど、少し頭を冷やす必要があるのかもしれないな、そう思っているわ。そもそも、あの絵の事件にしたって、普通は……」
意外と身近にいる味方というものには、気づかないし、邪険にしてしまうものさ！
「もういいよ。ぼくはぼくのやりかたでやるから」
ジュンは巴の忠告をさえぎった。だけど、これが巴との最後の会話になるとは！！
そんなある休日、インドアなジュンが珍しく街を歩いていると！
見たことのある後ろ姿。
「あ、あれは」
高校生くらいのスラリと背の高い、なんか軽そうなイマドキ、っぽい男と手を組んで歩いている女の子。それは由奈！
初めはどうしようかと思った。でも、勇気を出したよジュン君！！
あわててジュンは追いついて、二人の前に回り込んだよ。
間違いなく、女の子は由奈だった！！
「……」
どう言葉を発してよいかわからないジュンをあざ笑うように、由奈は言ったよ！！
「あら、桜田君、どうしたの？ あ、紹介するわ、この人、わたし付き合っている……さん」
気が動転しているジュンには、男の名前なんて聞こえなかったんだ！
「ま、そういうことだから」
そう言い捨てると、由奈はその男とより親密そうに体を密着させてジュンをその場に置いてきぼりにして去ろうとしたよ！！
けど、思い出したように振り返って！
「あ、桜田君、もう明日から由奈に話しかけないでね。キモいから」
とどめの一撃だ！！
呆然とするジュンを尻目に、その二人は会話しながら去っていった！
「何あれ、キモいじゃん」
「うん、あれがあの変態裁縫オタク」
「ああ、由奈が話していたアレか。どうしようもねぇな。クズだなありゃ」
「そんなことどうでもいいから、二人きりになれるところに行こっ」
「お前、最近アレやってくれねーじゃねーか」
「……きょうはスッ、としたからいいわよ」
「ヤリぃ」
遠ざかっていくその内容から、由奈が相手の男と肉体の関係、つまりＳＥＸをしに行くことまで解っちゃったよ！！
つまり、ジュンはもてあそばれたのさ！！
それから、ジュンは学校に行かなくなったのさ。
そして引きこもり開始。
そうしているうちに、遠い噂で巴が海外に留学という話を聞いたよ！
だからのりだけが気遣ってくれる身近な人に！
もうどうでもよかった。
趣味の通販イタズラも、鬱屈したものになっちゃった！
そして騙されることに用心深くなって！！
だから、ホーリエからの手紙にも「まきません」に○を付けたのさ！
それから年月が経ち、ジュンは大学生になり、ショボイ万引き率が６割を越える小さな書店でバイトをするようになったのさ！
由奈が思いっきり、ジュンの心に根性焼きを入れたせいで、あれからやることなすこと失敗ばかり！
だけど縁とは不思議なものさ！！
一度は切れたはずのホーリエとの接点がまたやってきて、真紅との巡り会いが成立！！
この先どうなるんだろうね！！
大変だ！！
ちなみに由奈は、なぜかアイドルになろうとしたらしいけど失敗して、それからかろうじてタレントになったらしいよ！ 何でもＡＶに出演したという噂も出たり（いつの間にかそのタイトルは全て回収されてしまったけどね！）、男性タレントとの浮き名で週刊誌を賑わせたりしたけど、最近は大人しくなってバラエティに出ていたりするんだ！
アイドルに失敗したのになんでそんなに仕事が来るのかって！？
それは簡単さ！ ××××に××して、○○先生の前で泣きながら×××××××××に感謝して、××××××××とあからさまに×××、××××××××××××××！！（都合により割愛）
この話おわり
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