やぁみんな。
僕、蒼星石。
口さがない人はハロルド蒼星石という人もいるけど、まぁそんなことは気にしない。気にしないけど……ハロルド蒼星石って、初めは意味が分からなかった。
そこで、水晶のお父さん、槐おじさんに「００７ ゴールドフィンガー」ってビデオを見せて貰った。
正直、ショックだったよ。
いくら何でもこの僕が、あんなデブの小男の名前を付けられるなんて……。
しかも、僕の必殺技を真似している。
まったく、映画ってヤツはとんでも無い代物だね。
ただ、あのハロルド坂田って、ちょっと帽子の投げ方に甘さが目立つような気、が……あ、いや、何でもないよ。
ただ、全身に金粉を塗りつけたり、銃で撃ってから、車ごとスクラップで始末する、のはなかなか良いセンスだと思ったよ。昔の僕だったら、真紅の体に金粉を塗り込んで、皮膚窒息させたり、気絶させて馬車に乗せたまま、スクラップ工場で馬車ごと体をバキバキ……そして、ローザミィスティカを。
（ここで蒼星石、不敵にニヤッ、と笑う）
あ、うそうそ。冗談だよ。まさか僕がそんな野蛮なことをするわけ無いだろう。
今となっては、水銀燈にローザミィスティカを奪われて、違う世界で人間の体を貰って生活しているので、もうアリスとかローザミィスティカ、そんなものに煩わされるのはうんざりしている。
でも、お父様には会いたいなぁ、と今でも強く思っている。
人間になった僕の体を、見せてあげたい。
あ、話がそれたけど、今日は僕の見たふしぎな夢について話そうかと思う。
僕は割と心配性で、よく寝付けない夜があったりする。
そんな中、浅い眠りの中で見た夢の一つなんだ。
他にも、ちょっと変な夢もあって、何と言ったらいいのか、ちょっと体がうず……いて、ついつい、おしっ……をするところに触ったら、とても気持ちが良くなって。
こすり続けたりしたときもあったんだけど。
あ、ぼ、僕はなにを言っているんだ。とにかく、お話スタート。
|
