その、瞬間視聴率２０％を超えた瞬間。
とある家では、とある家族がテレビを囲んで団らんの時を楽しんでいました。
「ふ……薔薇水晶ったら、どこに行ったのかしら……と思っていたら、こんなところに。思いもかけず、この世界で楽しんでいるようね」
その、ちょっとすました様な女の娘は、熱い紅茶を楽しみながら言いました。
応えて、ちょっと気弱そうだけど、意地っ張りのように思える女性が悔しそうに言いました。
「このコンチクショウ、一番美味しいところを。まぁ、このワタシだってその気になりさえすれば、こーんな歌番組なんか、チョチョイのチョイでトップスターですぅ」
「ふわぁ……かっこいいのー、あんなに怖かった薔薇水晶とは思えない」
家族の中で一番おちびさんの女の子が、目を丸くして驚きながら言いました。
「ふん。くだらなぁい。……でも、まぁこんな幼稚な番組。……少し、ムカつくわね」
一番年長の人らしき、ちょっぴり顔に蔭のある女性が言いました。
「せっせっせーのよいよいよい。じゃんけんぽん。アッチ向いてホイ」
「きゃーっ。あなたの負けよ」
残りの二人はテレビそっちのけで、アッチ向いてホイで遊んでいました。
「うるさいわね……。テレビが聞こえないじゃないの」
そういうと、一番年長の人がリモコンでテレビのボリュームを上げました。
遊んでいる二人は、よほど、気が合うようです。一人は、病弱そうな髪の長い女性、もう一人は上品そうなお嬢様、おっと。これ以上は……いずれこの人たちと、それ以外の人達も登場しそうですね。
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